アドベント(待降節)である。イエス・キリストの降誕を祝うクリスマス(降誕節)を待ち望み、心備える期間だ。この時期によく歌われる賛美歌のひとつに「わがこころは」がある。(『讃美歌(1954)』95番、『新聖歌』67番。)ルカ1:46~55のいわゆる「マリアの賛歌」を歌ったものだ。
私はこの5節が好きである。「アブラハムの すえをとわに かえりみ イスラエルを 忘れまさで 救いたもう とうとさ」
聖書本文(新改訳2017)では以下に対応している。「主はあわれみを忘れずに、そのしもべイスラエルを助けてくださいました。私たちの父祖たちに語られたとおり、アブラハムとその子孫に対するあわれみをいつまでも忘れずに。」
なぜこの歌詞が好きかというと、ここで歌われているメッセージが、現代もなお確かに成就していることを、私たちがはっきり見ることができるからだ。マリアがこの歌を歌った数十年後、イスラエルは滅ぼされ、アブラハムの子孫であるユダヤ人たちは散り散りになってしまう。行く先々で艱難辛苦を味わったユダヤ人たちであったが、滅びてしまうことは決してなかった。彼らは再び先祖たちの土地に集められ、1948年、ついにイスラエルの国を再建したのである。
なぜこのようなことが可能だったのか。神が、「アブラハムのすえ」たるユダヤ人たちを「永遠(とわ)」に「かえりみ」、「イスラエル」の民を「忘れ」ないで、「救」われたからにほかならない。イスラエル国の存在こそ、現代における、聖書に約束された神の真実の確かさの証拠にほかならない。
もっとも、ほとんどのユダヤ人たちはまだイエスを救い主だとは信じていない。そういう意味では、イスラエルはまだ救われていない。しかし、今はまだでも、いつかイスラエルがみな救われる時が来る。(ローマ11:25~26等。)今は、いわばその「過渡期」だ。(明石清正牧師の表現を拝借。)イスラエルの神の「とうとさ」を信じたい。

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