パリオリンピック開会式とフランスの宗教軽視

愛好家の方には申し訳ないのだが、私はスポーツには全く興味がないので、今回のパリオリンピックも観ていない。だから以下に書くことは、あくまでニュースサイトの範囲内の情報にのみ基づいていることを、予め断っておく。 オリンピック開会式の演出が物議を醸している。キリストの「最後の晩餐」を揶揄する内容だったというのだ。バチカンが批判の声明を出すほどの騒動となっている。 さて、これまた親仏家の…

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『牛乳屋テヴィエ』に見る生のユダヤ人の姿

ショレム・アレイヘム作『牛乳屋テヴィエ』(岩波文庫)を読んだ。演劇・映画『屋根の上のバイオリン弾き』の原作として知られる、イディッシュ文学の名作である(らしい)。イディッシュ語というのは、東欧のユダヤ人の間で使われていた言語だ。本作の舞台は19世紀末〜20世紀初頭の、当時ロシア領だったウクライナ。貧しいユダヤ人の牛乳屋テヴィエが、作者の「ショレム・アレイヘム先生」に身の上話をするという体裁で書か…

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地の果て日本からイスラエルへ

そこで使徒たちは、一緒に集まったとき、イエスに尋ねた。「主よ。イスラエルのために国を再興してくださるのは、この時なのですか。」イエスは彼らに言われた。「いつとか、どんな時とかいうことは、あなたがたの知るところではありません。それは、父がご自分の権威をもって定めておられることです。しかし、聖霊があなたがたの上に臨むとき、あなたがたは力を受けます。そして、エルサレム、ユダヤとサマリアの全土、さらに地…

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仮にイスラエル人の血を引いていたとしても、日本人は「イスラエルの子孫」ではない

久しぶりに「日ユ同祖論」の話。「古代日本にイスラエル人がやって来て、日本人の先祖になった」と主張するこの説。私は、古代イスラエル人の「一部」が日本列島に渡来して、日本人の先祖の「一部」になった「可能性」はあると思う。 あれだけ世界を股にかけて活躍しているイスラエル(ユダヤ)人のことだ。いわゆる鎖国のイメージから誤解されがちだが、実際は古来意外と外国と交流があった日本に来ていたとしても、不思議はな…

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置換神学の間違い

「旧約時代のイスラエルの地位は、新約時代には教会に置き換えられた」とする考え方を「置換神学」と言う。この考え方によれば、アブラハムに約束された祝福を現在受け継いでいるのはキリスト教会であり、聖書の中でイスラエルについて言及されている箇所は、教会に適用される。一方イスラエル人(ユダヤ人)は、「神に選ばれた民族」としての特殊な立場を否定され、他の民族と何ら変わりがないことになる。 ところでア…

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イスラエルを見よ

今、イスラエルの地で起こっていること。「聖書預言の成就」である。聖書に書かれているとおり、方々に散らされていたユダヤ人たちがかの地に帰還し、祖国を再建している。 これこそ、聖書が信ずべき神のことばであることの証しだ。ひいては聖書が指し示すイエスの十字架と復活の福音が真実であることの証しでもある。また、神が現代に至るまでユダヤ人を見捨てておられないことは、新約に於ける神の民「教会」(クリス…

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『イスラム教の論理』『ハマスの息子(復刻版)』を読んで

飯山陽(いいやま・あかり)著『イスラム教の論理』(新潮社)、並びにモサブ・ハッサン・ユーセフ著『ハマスVSイスラエル』(ヒカルランド)を読んだ。飯山陽氏は、高原剛一郎氏がYouTubeで「日本で唯一まともな中東問題解説者」と絶賛しているので、図書館で見つけた時、読んでみようと思った。その時、新着図書として並んでいたのが『ハマスVSイスラエル』である。この本、実はかつて『ハマスの息子』というタイト…

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唯一神信仰と行い

今、出エジプト記を読んでいる。主は、イスラエル人を奴隷とするエジプトに次々と災いを下した。それは、単にエジプト人を懲らしめるためではなく、エジプトの多神教の神々にさばきを下すためでもあった。すなわち、ナイル川や蛙などエジプト人が神々として拝んでいたものを無力化することによって、神は唯一「主(ヤハウェ)」のみであることを彼らに知らしめたのである。 この「一神教」のメッセージは、エジプト同様…

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エルサレムの多様なイースター

今年(2024年)は、3月31日が、イエス・キリストの復活を祝うイースター(復活祭)であった。ゆかりの地エルサレムでは、キリスト教各教派の礼拝がもたれたもようである。中継動画がYouTubeに上がっていた。 プロテスタントがイエスの墓と見なす「園の墓」では、エレキギターガンガンの、現代的な賛美礼拝がささげられていた。 https://www.youtube.com/live/DB5Yct…

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シオニズムはユダヤ教から出たものではないが、神のみわざである

「シオニズム」とは、世界各地に離散していたユダヤ人たちが、イスラエルの地に帰還して祖国を再建しようとする運動のことである。19世紀頃に盛んになり始め、1948年の「イスラエル国」建国で頂点を見た。その後もこの流れは続き、現在もロシアやウクライナなどから多くの帰還民が押し寄せている。 シオニズムはユダヤ教から出たと思っている人がいる。シオニズムによって建てられた現代イスラエルを、ユダヤ教原…

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